2021/03/09

立体駐車場は複雑な機構を持っているものが多いため、全国には立体駐車場の製作と販売とを専門的に行っているメーカーがいくつか見られます。こうしたメーカーでは、自社だけで複数の種類の製品を製造していることもあれば、何かひとつの種類に特化して、その種類を専門として製造していることもあります。立体駐車場として都市部のデパートやオフィスビルなどで多く見かけるのは、垂直循環方式と呼ばれているもので、これはタワーのような外見の建物に自動車を駐車させるスペースを設け、チェーンで上下方向に移動させるものです。場合によっては地下構造を持っていることがあります。
都会の狭小な土地では水平方向のスペースが捻出できないことから、垂直方向のタワーによって駐車台数を確保しています。いっぽうマンションなどでよく見かける小型の多段方式や二段方式の立体駐車場もあり、こちらも専門に製造するメーカーがあります。名前のとおり自動車の収容台数としては上下の段をあわせて従来の平面駐車場の倍になるという仕組みで、油圧式で昇降させて自動車の出し入れをします。操作が簡単なため、専門のオペレーターを雇用せずにマンションの住人が直接操作することが可能で、費用的にも安価なところがメリットです。
普通の垂直循環方式のものとは違い、駐車台数がそれほど増えるわけではありませんが、マンション程度の需要で敷地のスペースがそれなりにある場合には適した方式です。