2021/03/09

認定駐車場とは、建築物として設置されているパーキングのうち、構造および防火設備などにおいて法令に基づいて定められた基準をクリアしているとして国土交通大臣から認められているもののことを指します。法令上では耐火建築物とみなされるため、耐火被覆の措置が不要で、防火区画を設ける必要もなくなり、防火シャッターなどの防火設備は一部が不要、もしくは簡易なものを設置するだけで済むようになります。また、建築確認申請においても、申請書に添付する書類のうち、構造計算書の提出を省略することができるようになります。本来建築物をつくる際に必要となるものをいくつか省略できるようになることから、パーキングを建設する際にかかるコストの抑制や、工事期間の短縮が可能となります。
一方、認定駐車場を設置するためには、隣接している建物と一定以上の間隔が必要となります。そのため、一般的なパーキングに比べると設置可能な土地は限られてきます。また、すべて地上階のみで成り立っていなければならず、地下を設けてしまうと駐車場の認定を受けるのは不可能となります。そして、認定駐車場の特に大きなデメリットといえるのが、第三者評価機関にパーキングの建築物としての性能を評価してもらい、その上で大臣あてに申請をしなければならないことで、ひととおり手続きが完了するまでには数ヶ月かかることが多いです。
また、性能評価によって駐車場の認定を受けるには不十分とみなされると、追加の工事が必要となってコストが増大する可能性があります。