民法改正で変更された連帯保証人の制度

他人の債務を保証するための制度として連帯保証人の制度が作られました。こうした制度を利用すれば、債務者以外の人でも、債務者と連帯して債務の支払いをする義務を負うことができます。この制度にはいくつかの問題があったことから、2020年におこなわれた民法改正によって、制度の内容が一部変更されています。民法改正により変更されたのは、事業のために使われるお金の保証人になる場合の決まりです。

個人である保証人が事業の融資のために保証人となる時には、債務の支払いをするという意思を自分で明確にすることが義務づけられています。こうした意志を明確にするために書かなければいけないのは公正証書です。公正証書がなければ、事業の融資のための連帯保証人になることはできません。民法改正によりこうした制度変更がおこなわれたのは、連帯保証人となる人の権利を守るためです。

この法律が改正されるまでは、債権者と債務者が債務の実態を理解していて、連帯保証人が債務の実態を確認しないまま、保証人となることがありました。債務がどれくらいあるか知らないで保証人になると、多額の債務を負う可能性もあるので、保証人となる人を保護するために、事前に公正証書で確認することが必要になりました。公正証書を使用することにより保証人の権利を守ることができるのは、契約の当事者ではない公証人が、保証人にその考えを直接聞くことができるからです。保証人になる考えがなくなった場合には、連帯保証人になることをやめることもできます。

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