2021/03/09

すでに戸建て住宅やオフィスビル、マンションなどが林立している中心市街地では開いている土地を確保するのも大変ですが、土地を取得したとしてもそれを効率的に活用する手段も必要となります。特に駐車場を建設する場合には、こうした狭小地では平面駐車場としたときに確保できる台数が少なくなってしまうため、垂直方向を生かした立体駐車場の方式にすることが不可欠です。その場合であっても、立体駐車場にはさまざまな種類があるため、建設会社の言うがままにプランを決めるのではなく、適切なメーカー選びでコストや工期を削減することも重要となってきます。立体駐車場のなかには国土交通大臣の認定を受けた既存の製品があり、これはメーカーの考え方の違いによって大きく左右される部分です。
国土交通大臣の認定を受けているメーカーの製品は、防災関連の設備の設置基準が緩和されるなどの特例が設けられているため、一般的に立体駐車場を建設したときと比較すると、コストと工期の短縮が図られます。そのかわりとして地下構造や壁面の設置などで制約があることは事実ですが、単に機能的な面を考えれば、むしろメーカーの既成品を活用したほうがメリットは大きいといえます。以前はこうしたタイプの立体駐車場では低層のものが多く見られましたが、最近では5層6階構造のものまで認定が得られるようになっていることから、よほど収容台数が大きな場合を除いては十分に採用が可能です。